「極上の舞台総合芸術のような一日」
約5年前に、ともしび消えかかる麻産業をなんとか生き生きと紡いでいきたいといった数人の思いから始まった、産学官共同の取り組みとのこと。
神社で用いられるお祓いをする道具や、拝殿にある鈴の紐に、日本の麻が使えない(無い)と聞いたことがあったこともあり参加させていただいた。
『当たり前のことを当たり前に戻す』
まず、古くから神社という日本人の精神性を清めることに必要な麻栽培ができなくなってきた大元の原因を正していくことが、どんなに険しい道のりだったのだろう?という想像は
私の想像力をはるかに超えていると思った。
何度も足をとられ腰を折られることがあっただろうと推測されるけれど、その根本から外れずに歩みを進めてきたことは関係者の表現から伝わってきて、私までが清々しい気持ちになった。
『総合演出力』
森の劇場プロジェクトとして、ここに書き留めておきたいのはその日のイベントの総合的な演出力。
・お種蒔神事は、皇学館大学の祭祀研究会の若者が起用されていた。
・基調講演会の内容(「神社と麻」に関する研究者、「麻栽培と明和町の関係性」を地元学芸員、「新たな麻産業」をすすめていく人)のバランスの良さ
・プレゼントの麻の実が使われたお菓子や提供者、ロビーで麻糸紡ぎを実演してくれたお姉さん、受付担当の方々に至るまでみなさん生き生き楽しそう
一人ひとり主体性があることも勿論だけれど、演出をした人がいる。
自分たちがやろうとしていることへの自負、仲間への敬意、参加者への愛と日本全体への想い、久しぶりにココロを動かされた総合芸術だった。
私もより良く生きたいと思ったし、これからゆっくりと舞台づくりに入っていくのでこの清々しい気持ちを忘れないで取り組みたいと思った。
NPO法人 森の劇場プロジェクト
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